GUNDAM研究所(G研)

今まで映像、書籍、玩具、ゲーム等によって培ってきたGの情報を研究の対象とし、その研究結果を自分のペースで綴っていくブログです。

第2話 内縁の妻

【子供には分からない世界】

 

小学生の頃、クラウレ・ハモンが、まさかランバ・ラルの「内縁の妻」であるなどということは当然知りませんでした。あまりにも大人すぎる「内縁の妻」という言葉。大人になってファーストガンダムを見直した時にようやくガンダムの世界が非常に大人びた世界であることに気付きました。当時は私のような子供に大人気だったガンダムですが、その内容の節々に子供には分からない世界が描かれています。今回は「なぜ、ランバ・ラルはクラウレ・ハモンと結婚しなかったのか」について研究していきたいと思います。

 

 

【名門ラル家の嫡男】

 

ランバ・ラルジオン・ズム・ダイクンに仕える片腕で、ダイクン派のジンバ・ラルの嫡男です。ラル家はジオンの名門でしたが、ダイクンの死により父が後ろ盾を失い、ダイクンの政敵、デギン・ソド・ザビとの政争に敗れ、没落します。また正義感が強かったランバ・ラルは、父からの願いもあり、ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクンアルテイシア・ソム・ダイクンをザビ家から守るために地球に逃がす手伝いをし、その結果ザビ家から冷遇されることになります。

 

 

【献身的なサポート】

 

そんな堕ちてゆく男を常に献身的にサポートし続けた女、それがクラウレ・ハモンです。当時働いていた酒場「エデン」で得た情報を彼に流し、キャスバルアルテイシアの地球脱出時は体を張ってその手伝いをし、冷遇されている彼の潜伏生活をサポートし続けました。彼のことを好きでなければここまでのことは出来ない訳で、クラウレ・ハモンとランバ・ラルは結婚をするに相応しい間柄だったと言えます。

 

 

ランバ・ラルの負い目】

 

しかしランバ・ラルはクラウレ・ハモンとは結婚しなかった。実質は夫婦同然の関係値だった彼女を「内縁の妻」のままにしておいたのには、理由があったのだと思います。端的にまとめると、それはランバ・ラルのクラウレ・ハモンに対する負い目だったのではないでしょうか。

 

1つ目の負い目の理由は、自分が没落した日陰者であるということです。男の結婚は往々にして何かを成し遂げたり、何かの区切りがついた時に、自分のためではなく相手のために決断するパターンが多いかと思います。所謂けじめをつけるためです。しかし、ランバ・ラルは没落後も上司であるドズル・ザビにチャンスを与えられるも、正義感からそのチャンスを逃してしまいます。「うだつが上がらない自分には、彼女を妻に迎える資格がない」と思っていたかどうかは分かりませんが、可能性は否定出来ません。ハモン的にはそんな彼を放ってはおけないわけですけれど。

 

2つ目の負い目の理由は、2人の身分の違いです。ランバ・ラルという男は、名門である自分と酒場の歌姫である彼女が釣り合わないとは、露程も思っていないと思います。しかし彼はジオン・ズム・ダイクンとアストライア・トア・ダイクンの、身分違いの恋が招いた兄妹と母親の生き別れの悲劇というものを目の当たりにしており、ハモンのことを思うが故に、結婚の踏ん切りがつかなかったのではないでしょうか。断定は出来ませんが、このことがランバ・ラルに与えた影響は大きいと思います。

 

3つ目の負い目の理由は、恋敵の存在です。酒場「エデン」の歌姫であるハモンは、当然人気者で、彼女に好意を寄せている男性は多かったと思われます。所謂みんなのアイドルである彼女を自分が独り占めするわけには・・・と思っていたかどうかは分かりませんが、部下であり恋敵でもあるタチ中尉の存在も関係しているのかもしれません。

 

4つ目の負い目は、軍人であることです。生粋の職業軍人であるランバ・ラルは、当然いつも危険な任務を遂行し、いつ死ぬか分からない身分です。結婚をしてしまうと、自分が死んだ時にハモンが不憫で・・・と思っていたかどうかは分かりませんが、ハモンを思うが故に結婚をしないという決断をしたのかもしれません。ただ、ハモンも一緒に軍人として戦争に参加しちゃってますけどね。

 

出来るならば直接ランバ・ラルにハモンを「内縁の妻」たらしめる理由を聞いてみたいものです。そして、ラルさん、ハモンさんと結婚してあげて!

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■参考作品名

機動戦士ガンダム

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

 

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